私のピアノ調律日記 (2月)


アンティークピアノコンサート     2002/2/13

おや、いつの間にもう2月ですねぇ・・・・(^ ^;;;;;;)。
この部屋に書きたいことは、浮かんでは消え、浮かんでは消え・・・今になってしまいました。m(_ _)m

それで、どうしても伝えたいことが出来たものですから、こうしてまた出てきたわけです(^ ^;)。
出来ることならこれをきっかけに、また書ければ、と思っておりますが・・・。

私たちピアノ調律師の団体である、「日本ピアノ調律師協会」中部支部で、去年もしたのですが、今年もコンサートを開催することになりました。これは、調律師協会の社会への認知と調律の啓蒙のため、ということで行われるものです。
それで、今年は三重県の担当になったわけです。
そこで、どういったコンサートをするか、ということを三重県の会員が集まって話をし、それで結局アンティークピアノを使ったコンサートをすることになったわけです。まあ僕が提案をしたのですけど(^ ^;)。
ピアニストは地元津市出身の北住淳氏(愛知県立芸術大学助教授)です。
北住氏は僕がもう一つはいってる合唱団、三重バッハ合唱団のコンサートマスターもしてらっしゃいます。
年1回の三重バッハのコンサートでは、いつもすばらしいオルガンやチェンバロの通奏低音を聴かせてくれます。
アンティークピアノはどうするのかと言いますと、これはやはり、静岡県磐田市の日本ベーゼンドルファーにお願いすることになるわけです(^ ^)。
ここには、もう亡くなられた先代の社長吉澤孝二氏が長年かかって収集したアンティークピアノがずらっと展示してあるのです。そしてその中から、コンサートに使えそうなピアノをお借りすることになりました。
候補としてあがったピアノは、1840年製プレイエル、1858年ベーゼンドルファー、1890年エラールでした。
次には、その3台の中からどれか1台を決めるわけですけど、これはもう北住氏に直接決めてもらうしかないわけで、行ってきました(^ ^)、僕の愛車フォルクスワーゲンに乗っていただき、磐田市までドライブをしてきました(^ ^)。
まあ、このあたりは役得というか、途中いろんな面白い話や、とても興味深い話を聞かせていただきました(^ ^)。
一芸に秀でる話や、文化の話や、・・・う〜ん、あとは何だったか、1月18日のことで、ちょっと記憶に残ってなく・・・(^ ^;)。

それで、その磐田市の日本ベーゼンドルファーへ到着し、さっそくそこのアンティークピアノコレクションを見させていただきました。
ここのコレクションは、1700年代のものからずっと現在の形になるまでのいろんな珍しいピアノが、そうですねぇ、20数台くらいありますかねぇ。確か昔はもっとあったと思いますが、浜松市の楽器博物館ができたときに、いくつかゆずって、現在のようになってるそうです。
ただここのコレクションのすばらしいところは、普通楽器博物館だと、展示ピアノは絶対にさわらせてくれませんが、ここは自由にさわって、音も出していいのです。
それで、北住氏にはいろいろとさわっていただきましたねぇ(^ ^)。そりゃもう、それぞれのピアノにふさわしい曲を次から次へと弾いてくれました。
それはもう聴いててほんとに楽しかったですよ(^ ^)。これも役得でしたねぇ、しかも特上の・・・。
古いピアノは、それぞれアクションの構造も違うし、当然タッチも鍵盤の深さも違うので、弾きこなすのは実はとても難しいのです。でも北住氏はそれぞれのピアノの特徴をよく把握しておられ、難なく弾きこなしていってました。
それらのピアノは、やはりその時代の雰囲気を音で伝えてくれるわけですよね、現代に。
まあだから、今回企画したコンサートも、そこに意義があるのじゃないかと思っています。

それで、ピアノ選びの結論ですが、1858年ベーゼンドルファーに決まりました。
150年近く前のピアノです。でも状態は非常に良く保たれています。
奥行235cm、85鍵、ヴィンナーアクションのこのピアノはフレームも木製で、そのため音のボリュームは現代のピアノのようには出ませんが、そのかわり非常に美しい木の響きの音が出ます。
北住氏にはこのピアノを非常に気に入っていただき、最終的にこれに決定しました。
ピアノを選んだあと、同じくそこに展示してある新品のベーゼンドルファーを弾いてみて、「ちゃんとあの響きがこのピアノにもはいってるよね。」とおっしゃってたのが、とても納得のいく、そんな音でした。

実はこの日、僕は不覚にもデジカメを持参するのを忘れたのです(^ ^;)。
幸い、なんと彼がちゃんと持ってきておりまして、それをお借りして、試弾の様子を撮らせていただきました。
そのうち皆さんにもきっとお見せできると思いますので、お待ちくださいね。


コンサートの概要は大体次の通りです。

日時:平成14年5月11日(土)pm4:00開演
場所:三重県総合文化センター内「フレンテみえ」多目的ホール
入場料:前売2,000円 当日2,500円(全自由席)
使用ピアノ:1858年製ベーゼンドルファー  
        ヤマハピアノS400(現代ピアノ)

フレンテみえは350席くらいの多目的ホールなのですが、今回は普段使用する舞台の上でなく、客席側が移動のパイプ椅子を平場に並べるので、その真ん中にピアノを2台置き、廻りを椅子で囲む、ちょっとサロン風のコンサートにしたいと思っています。
だから、演奏だけでなく、ピアノのお話も交えた、ちょっとアットホームなコンサートをめざしています。
ちょっと特筆すべきは、このホールの舞台奥が、壁を開けるとそこがガラス張りになっており、外の庭の景色が見える、いわゆる借景ができるわけです。
今回もし条件が許せば、これも使用してみたいと思っています。

今回使用する1858年製ベーゼンドルファーは、それでもどこまでこういったコンサートにメカの部分が耐えられるか、ちょっとわからないところもありまして、したがって今後もこのようなコンサートが出来るかどうかは、非常に微妙な状態のようです。
そういう意味では、今回はとても貴重な機会になると思います。
皆さんもしお時間があって来られるようでしたら、ぜひお越しくださいませ。m(_ _)m
チケットは調律師協会の調律師に言っていただくか、直接ご連絡いただければ手配いたしますので、どうぞよろしくお願いします。


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